3Y0I 延期のお知らせ

3Y0Iチームより (オリジナル英語サイトはこちら。)

Atlantic Tuna号の船長は、ケープタウンに戻るという、難しい、しかし責任ある決定を下さなくてはなりませんでした。

3YØIへのDXペディションはキャンセルではありません

私達は、そう簡単にあきらめません。

私は、 Atlantic Tuna号のDom, 3Z9DXと話をしました。
海が落ち着いたので、昨夜の深刻な低気圧の嵐による損害を調査をすることができたそうです。以下は、最新の船についての情報です。

2019年3月26日、船はブーベ島の近くをさまようサイクロンの嵐に接近していました。船長は最新の天気予報を元に、嵐を突破するチャンスを分析しました。当時はそれほど強力ではありませんでした。ところが予報に反して、嵐が発達してしまいました。そして一時間のうちに激化したのです。0500から0600z(GMT)頃ですが、ブーベ島からわずか70海里にまで来ていた船は、11 m超えの高波と風速83 knots/h (約160km/h、43m/s)を超える風に見舞われました。激しい波がデッキを越えて襲い、レーダーに加えVSAT用やVHFとHFの船舶無線用のアンテナまでをもマストからもぎ取り、海中に沈めてしまいました。嵐は、船が45°も傾くほど大変でした(これ自身は船の構造上、まだ安全な範囲でした)。

チームメンバーとクルーメンバー共に、大丈夫であり安全です。

船長より、最も重要なナビゲーションツールを失ったため、これ以上の航行は安全ではないとの宣言がなされました。何よりチームと乗組員の安全のため、そして機器類や船の装備品をこれ以上失わないためには、ケープタウンに戻る必要があるとの判断です。今後数時間先の予報などを鑑みると、前向きな判断はできないのです。チームは船長の決定に全面的に従います。 彼は、両半球の似たような海域で20年以上の航海経験を持っています。チームは全員一致で、これ以上無理に押し進めず、安全上の理由から計画を延期する方が良いとの船長の判断に同意し、従うことといたしました。

船は南アフリカのケープタウンに向かっています。到着後は、必要となる修理や技術的な検査のプロセスを実施する予定です。その結果、船の修理にどのくらいの時間を要するか見積もり、4月に再度ブーベ島に向かうのか、それとも来シーズンに遠征を延期するのかを決断します。

DXペディションはキャンセルではありません!

依然として私達の試みの最終結果がどうなるかはわかりませんが、ブーベ島から運用をするということは、アマチュア無線のこれまでの歴史を考えても、最も難しい挑戦であることは明らかです。それでも、3YØIはできるだけ速やかに、島にもう一度「アタック」するために、チームによる議論と分析を行ないます。ただし、常に「安全第一」が基本です。

チームは、準備のために、船の停泊地であるケープタウンで4ヶ月以上を過ごしました。クリスマスを犠牲にし、家族と共に過ごさないという特殊な時間でした。しかも、アマチュア無線のために、膨大な私費を投じてきました。しかし、私達はあきらめません。私達の現在、そしてこれからの行動によって、皆さんからの信頼を得ることができるということを全員が認識しています。本当にありがとうございます。

現時点では、ブーベ島 vs Hams のスコアは2:0です!しかし、まだショーの前半に過ぎません。アマチュア無線のこれまで蓄積されてきた歴史とその支援者達に長寿と繁栄を!

Stan SP8S
3YØI 報道担当

3Y0I のローバンド運用

3Y0Iチームのブーベ島でのローバンド運用について
(英語オリジナルサイト:https://bouvetoya.org/low-bands-at-3yoi/)

3Y0Iチームがブーベ島へ向かっています。彼らの運用計画のうち、特にローバンドについての情報です。月曜日にOH2BHは、DXペディションのリーダーであるDom、3Z9DX、そしてローバンドのスペシャリストTack、JE1CKAと、困難なロケーションを考慮しながら効率的な160 / 80mの運用方法について、詳しく話し合いました。

Domはブーベ島へのzodiac(ゴムボート)による上陸について、詳細な経験があります。一方、Tack、JE1CKAは、WRTC (World Radiosport Team Championship) で評価された優秀なコンテスターであり、経験豊富なDXペディションオペレータです。そして、特にローバンド運用において、強力な信号を届けるための優れた知識を持っています。

チームのキャンプは、島の南東隅にある上陸ポイント近くの30mの氷河の上に設置される予定です。その地点からは、EU / JAを見渡すことができますが、北西(アメリカ)方向には8km先に山があります。そして、CW、SSB、FT8、CW / FT8用の合計4つのステーションを設置し、各々1.3kW出力のステーションを稼働させる予定です。

強風などの悪天候や、その他の予想できない事態等を考慮し、160 / 80m用アンテナとしては、以下の4つの選択肢を考えています。

1:氷河の上でシンプルなダイポールを張る
2:氷河の縁から上陸のビーチまで約30mのスローパーを張る
3:18mファイバーポールで、バーチカルと逆L
4:氷河の上に少しだけ浮かした160 / 80m用の3エレワイヤービーム。

現在のコンディション状況では、数多くの交信が可能なバンドは20/30/40mになると予想されます。160/80mは、このバンドでの交信を待っていたローバンダーに、待望のチャンスを提供することになると思われます。ハイバンド用には、EU、NA、アジア向けの3本の固定ビームと複数のマルチバンドバーチカルが用意されています。

Tack、JE1CKA自身は160/80mにフォーカスし、他バンドも含めてCWでのオペレーションに専念します。

3Y0Iには、世界の3地域から160/80mに長けたオブザーバーがついています。 OH2BH(EU)、Wayne(N7NG)(NA)、そしてYasu(JR1AIB)(アジア)が状況を注意深くフォローし、Marttiが衛星電話を介してチームに要望を伝えます。

今回のDXペディションは、DX 基金のサポート無しに実行される、非常に厳しい条件下での歴史的な大仕事です。

DXerの皆さん、
安全な航海と帰国のために3Y0Iチームの無事を祈ってください。夏シーズンも後半になりましたが、入念な準備をしてきました。彼らの成功は、大自然の手に委ねられるでしょう。
私たちは3Y0IチームとAtlantic Tunaの安全な旅を願っています。

3Y0Iパイロットチーム:
OH2BH (Martti)、N7NG (Wayne)、JR1AIB (Yasu)