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ブーベ島DXペディション3Y0I チームは、50日にも渡るトレーニングと準備期間が完了したことをお知らせいたします。
南アフリカは私達にとって、いわば「第二の故郷」になった感があります。 良い天気に恵まれ、地元の人々から素晴らしい歓待を受けました。特に地元のハムの皆さんからの温かいおもてなしは、チーム全体にとても良い雰囲気をもたらしてくれました。 私達を急かす人はいませんでした。私たちの自主性を重んじていただけることが、プロジェクトの目標達成へ向けた、より多くの機会と柔軟性を増すことに役立ってくれています。 私達の目標に向けた歩みは小さなものかもしれませんが、一歩一歩確実に前進しています。
以下のトレーニング類に多くの時間と労力を費やしたことで、私達チームの実践的スキルは大きく向上しました。
応急手当のトレーニング
海洋消防訓練
水難訓練
レスキュー技術訓練
STCW95(船員のための訓練、証明および監視の基準のひとつ)
ENG1(船員のための医療診断証明書)
私達が参加したすべてのトレーニング(およびSAMSA – 南アフリカ海上安全局の認証)はすべて完了し、全員が卒業証明書を受け取ることができました。 高額($ 1,600米ドル)な費用がかかりましたが、私達にとってこれらのトレーニングに参加することは、2つの重要な理由がありました。
第一に、すべてのチームメンバーに国際的な海洋規則のすべての要件を満たす、最高のスキルを身につけてもらいたいと考えました。お気づきの方もあるかもしれませんが、ブーベのような絶海の孤島へきちんとしたトレーニングを受けてもいないチームを送ることは違法行為です。ツアー旅行ではない、商用船に搭乗した個人は、適切な認定訓練を受け、資格があることを証明しなければなりません。
第二に、チームメンバー各自が、最低でも航行中や島の上陸時に起こりうる事態を想定することができ、それらに対処する方法を身につける事が必要であると考えました。 チームメンバー各自がそれぞれ、必要に応じて他のメンバーに対して安全確保と支援を行なえることができるだけの、重要な基礎的知識を持つ必要があるからです。 私達の活動は、準備や基礎知識なしに、出発前の2、3日間でスキルが達成できるタイプのものでは決してありません。 私達がここで得た経験は、アマチュア無線に限らず、次のプロジェクトでもきっと役立つことでしょう。
ご存じのように、私達は高性能なゾディアックボート(訳注:軍などでも用いられるゴムボートなどのことを指す通称)を使って、ブーベ島に上陸する計画です。 このタイプのボートでは、2〜2.5mの波があっても、最大200kgまでの装備を安全に海岸に運ぶことができます。 もちろん、それは簡単な作業ではありません。しかし、私達は準備を整えています。荒れた海で事故が発生するリスクを最小限に抑えつつ、より多くの装備を安全に運ぶことができるように、装備を小分けしています。 ヘリコプターと比較したときの、ゾディアックボートによる上陸方法を選んだ大きな利点は、コスト削減に加え、気象条件に対する柔軟な対応の向上が図られることです。 天候状況などが悪化した場合には、天気回復を待ち、より適切で安全なブーベ上陸を進めることができます。
ひとたび上陸してからは、私たちの機材は専用の雪山装備で氷河の上に運ばれます。 興味深い事に、ブーベの氷河には多くの塩水が含まれています。それは、強風でブーベの崖に打ち付ける海水が島に降りかかり、島の氷を作り出すからです。 私たちのキャンプの足下は、火山島の地面の数十メートルまで氷で覆われています。 これらにより、私達のアンテナ環境は、本当に無線運用に適していて効果的でなければならないことを意味します。
現在、私たちはこの厳しい遠征のために船の準備を続けています。 これらの準備に参加することは、当初から私たちの計画の一部でした。船は、南極圏の荒れた海でも安定航行することができるように、百万ドルを超える費用をかけて改造が施されています。また、最大300トンの貨物と16万リットルの燃料を積載することができ、港での燃料補給無しに最大4ヶ月の単独航海が可能となっています。チームが島に滞在している間も、医療支援や避難が必要になった際に、すぐに駆け付けることができるよう、船は常に沖合で待機します。 船内は広々としており、アンテナやドームテントは船内で部分的に組み立てられています。 新しい水圧クレーンも装備されており、ゾディアックボートの積み込みや積み下ろしに役立ちます。予備の無線機、衛星通信機器、そしてナビゲーションシステムといった、新しい電子装置が完全装備されています。
多くの人から、私達の無線設備やそのほかの技術環境について聞かれています。 ブーベ島では、次の機材を使用します。
工人舎製の2エレ・マルチバンド八木が3基
8バンド・バーチカルが3基
80m/160mバンド用バーチカルが2基
80m/160mバンド用スローパー(崖から海岸に向けて設置予定)
バックアップ用のダイポール
トータル2km以上の同軸ケーブル
6.5kW出力のディーゼル発電機が4基+バックアップ用
トランシーバが4台+バックアップ用
1.3kW出力のリニアアンプが4台
ロギング用パソコンには、Panasonic製の頑丈PC 「タフブック」を使用
インマルサットBGAN衛星通信モデムが2基
イリジウム衛星電話端末
地上、ならびに空撮用の4K対応プロ仕様テレビカメラ
上記に加えて、重量1トンを超える、アウトドア用品やはしごなどのツール類、雪山装備(アイゼン、リフト、ピッケル、ハーネス、ロープ、ヘルメット、そり)、海洋装備(海水スーツ、ベストなど)が貨物室に積み込まれています。1年以上前から準備を行なってきましたので、4,200ポンドの貨物が既に積み込まれています。
ブーベ島との交信は、Stan SP8SがデザインするQSLカード(過去のアマチュア無線史上、例を見ないカードとなる予定)とLoTWでコンファームされます。 Stanは、K5D、FT5ZM、HKØNA、XRØY、JX5O、VK9LA、TI9 / 3Z9DX、P5 / 3Z9DX、T31Tなどといった、メジャーなDXペディションでQSLマネージャーを務めたことでも知られています。
私たちは、寄付をいただいたすべての3Y0Iのスポンサーの皆さんに感謝しています。ありがとう、ありがとう、ありがとう!。
では、南アフリカより、失礼いたします。
エキサイティングな、次の3Y0Iに関するニュースをお楽しみに。
Rebel 3YØI チームより、メリークリスマス!
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